・演技が上手いハリウッドの俳優って誰なんだろう?
こんな疑問をお持ちの方に向けて、
演技の上手いハリウッド俳優TOP10と、それぞれのオススメ作品をまとめました。
どうも俳優をやっているヒロユキと言います。
僕は今年で俳優歴13年目になります。事務所に所属していないこともあり大きい作品には出ていませんが、それでもTVドラマ、映画、舞台、ラジオドラマ(製作、脚本、主演)など色々な媒体に出演してきました。
また、この13年間「演技とは」ということを考え続けてきました。その間にスタニスラフスキーシステム、リーストラスバーグメソッド、マイケルチェーホフテクニークなど様々な海外の演技論も学び身体に落としてきました。
この記事では、こんな僕の目から見た演技の上手いハリウッド俳優をその出演作品とともに解説していきます。
ちなみに、日本人俳優と日本人女優に関してはこちらをご覧ください。
それではさっそくスタート!
演技の上手いハリウッド俳優TOP10と、オススメ作品まとめ
いきなりですが、タイトルでちょっと嘘をつきました。
ランキングTOP10とは言っても作品によってその俳優の演技の良し悪しもあり、順位をつけるのは正直難しいです。
ですので、順位関係なく演技の上手いハリウッド男性俳優上位10人を紹介しますね。
ゲイリーオールドマン
一人目はゲイリーオールドマン。
どんな役でも圧巻の演技力で観客を引き込みます。
引き込まれるのは観客だけでなくトップ俳優も。
ブラッドピットは彼のことを「GOD(ゴッド)」と呼び慕っています。
ゲイリーの映画はどれを見ても外れがなくて、今までアカデミー主演男優賞を1回しか取ったことがないことの方が驚きです。ちなみに取った一回は2017年製作の「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」です。
この写真の映画は1993年の映画「トゥルーロマンス」から。
数あるゲイリーの映画の中でも、特にぶっ飛んだキャラクターで、序盤しか出てこないのにもかかわらず存在感は抜群。僕も俳優としてこんな演技がしたいと強く思います。
ゲイリーオールドマンの演技力という観点からみると、特にすごいのは外的なキャラクターを作る能力。
専門用語ではキャラクターライゼーション(characterization)と言います。
作品ごとに全く違う役を演じていて、とうてい同じ人間が演じているとは思えません。
にもかかわらず、どの役も違和感が全くない!
そういう人物がそこに確かに存在しているという説得力があります。
基本的に、役作りは役者自身から離れていれば離れているほど難易度が高くなります。
これは内的な役作り(感情・気持ち)も外的な役作り(動き方、話し方)も同様です。
なぜなら、その役のリアリティに確信が持てないから。
例えば殺人犯を演じることになったとします。
多分この記事を読んでいただいてるほとんどの方は人を殺したことは無いはずです。(そうであってほしい)
となると、想像から殺人犯の感情や動きを作っていくのですが、途中で「本当に人を殺すときはこういう感情なのだろうか。こんな動きをするのだろうか」という疑問に必ずぶち当たります。
もちろん、適当に「殺人犯っぽく演じればいいんでしょ」というレベルの低い俳優は論外です。
では、どうやって役の感情を探して行くかと言うと、まずは自分が過去に殺意や強い憎しみを持った時のことを思い出し、現実にもう一度感じます。
その状態で役の人を殺すに至るまでの殺意に共感していくわけです。この方法をメソッド演技と言います。
メソッド演技について詳しくはこちらの記事をご覧ください。
話を戻します。
殺意にしろ何にしろ、過去に自分が経験したことの方が当然どういう心情か理解しやすくなるので、役作りとしては有利なんです。
これは動きや話し方も同じです。
自分が知っている動き方・話し方の方が違和感がなくすぐに演じられます。
逆に独特で奇抜な動きは、それを身体に馴染ませるためにやはり時間がかかります。
中途半端にキャラクターを入れると、観客も役者自身も違和感を感じてしまうんですね。
「なんかのりきれてないないな・・・」って感じです。
その点、ゲイリーオールドマンは全く違和感がない!
どんなに突飛な性格、笑い方、話し方をする役でも、そこにちゃんと存在しています。
この「どんな突飛な役をやっても自然」というのが彼の持ち味で真に驚嘆するべき部分だと思います。
特にこの「トゥルーロマンス」という作品では、ドレクセルという悪役を演じていますが、悪役の魅力を十分に発揮しています。
脚本はあのタランティーノ。そうです。結局はドンパチやる物語です。
しかし、音楽は清涼感たっぷりの 「you’re so cool」と言う曲で、これがドンパチ物語になんとも合う。
ゲイリー以外の俳優陣も謎に豪華で、
ブラッドピット、クリストファーウォーケン、サミュエル・L・ジャクソン、デニスホッパーとてんこ盛り。
まだ未見で、ゲイリーオールドマンが気になってたらこの作品はMUSTです。
ちなみに、ゲイリーオールドマンのオススメ作品は別記事にまとめたのでよかったらどうぞ。
アルパチーノ
2人目はアルパチーノ。
演技が上手いというか、もうレジェンドですね。
有名な作品は数多くあり、その中でも一番は多分ゴッドファーザーⅠだと思います。
僕もここでゴッドファーザーⅠを紹介しようかと思ったくらい面白いですし、アルパチーノの演技もいいです。
しかし、ここはあえての別作品を紹介します。
タイトルは「セントオブウーマン」。
元陸軍の中佐で、職務上のミスで視力を失ってしまった退役軍人を演じています。
盲目の人物を演じるのもリアリティがあってすごいのですが、それよりこの役のキャラクターの濃さが魅力。
この役は、過去の栄光に縛られ、昔はどれだけ自分がすごかったかを自らの心の拠り所にしています。
しかし現実は目が見えず、人の手を借りないと日常生活を送ることさえできません。
そんな自分への怒りと哀しみが、他者へ不器用な攻撃性となって表れます。
まあ、元々人と接するのが苦手なタイプだと思います。独善的と言うか。支配的と言うか。
そんな中、この盲目の退役軍人の世話をしに、3日間だけのアルバイトとしてある貧乏学生がやってきます。
セントオブウーマンは、この二人の友情物語です。
アルパチーノのこの映画での演技の見どころは、
「そんな独善的な役のキャラクターをいきいきと演じていて、そこに盲目というフィルターをさらにかけているところです」
なんか当たり前のことを言っている感じを受けるでしょうか。
僕が伝えたいのは、この順番なんです。
盲目で、独善的じゃありません。
独善的な役があって、そのうえで盲目なのです。
説明します。
役者としては、「盲目である」、「目が見えない芝居をしなければいけない」というところに捕らわれがちになってしまいますが、あくまで過去の栄光に縛られている独善的な人間である。というのが前提条件です。
まずは一番大事な役の本質を深い役作りの末見つける。
そして、それを身体に備えて、その上に盲目というフィルターをかけるという順番になります。
そうすることによって、いきいきした役としてそこに存在できます。
逆に、盲目というフィルターから作ったとすると、役のいきいきさは殺されます。
目が見えない人のように演じるというテクニックに走り気味になってしまいます。
実際は、アルパチーノがどういう風に役を作ったかは知る術がありませんが、盲目から作ってはいないはずです。
おそらく僕が思うには、「役のキャラクター」と「目が見えない演技」を同時に少しずつ練習していき、途中から役のキャラクターの上に目が見えない演技を重ねていったのではと思います。
この流れであれば役のいきいきさを損なわずに済みます。
役のキャラクターを作りきってから、目が見えない演技の練習を始めると、時間がかかりすぎてしまいますからね。多分同時にやってます。
専門的な話になってしまいました。
なんでこんな話をしたかと言うと、実際作品をみていただくとわかりますが、目が見えないのはただのアクセントとして機能しているということです。
ストーリー全体を通して、「目が見えないのにこの人は・・・」という展開で進みますが、一番の見どころはアルパチーノ演じる役の性格や態度、言動なんですね。
言ってみれば、普通の役を演じるのと何も変わりありません。
あくまで一人の人間がそこにいて、その人間の言葉や感情に僕ら視聴者も心揺さぶられる。
そして、その人間は盲目でもあった。
といった感じです。
アルパチーノの演技力を十二分に感じられる映画です。
特に最後の10分間くらいのシーンは最高です。めちゃくちゃいいです。
オススメ!
エディ・レッドメイン
3人目はエディ・レッドメイン。
んー。この人は天才かな・・・。うん。天才だな。
今回紹介する映画は「博士と彼女のセオリー」。
ALS(筋萎縮性側索硬化症)という神経の病気で、筋肉が徐々に動かなくなってしまう難病を持ちつつも現代の宇宙論に多大な影響を与えるスティーブン・ホーキング博士の半生を描いた作品です。
作品の流れとしては、このホーキング博士と妻のジェーンとの愛の物語です。
演技はもう天才ですね。
この上の写真の顔を見るだけですごい。
役として普通にそこにいる。ホーキング博士としてそこにいる。
いや、この顔を作るだけなら誰だって5秒もあればできるとは思います。
ただ、このようにマヒによって身体が自由に動かない、車いす生活を余儀なくされている人物を、
「元々車いすに乗っている俳優が演じているんじゃないの?」
と思うくらいのリアルさで演じていて、さらにそんな人物の心の流れまでも驚くほど繊細でリアル。
一言で言ったら、
「本人連れてきた?」
ですよ。
俳優が誰かを演じているという感じが全くしない。
演技が上手い俳優を見たい方は、この映画はマストです。
言うまでもありませんが、この映画で、エディ・レッドメインはアカデミー主演男優賞を取っています。
そりゃそうだ。これを超えるのなんてほとんどない。
ちなみに、同じくエディ・レッドメインが主演の「リリーのすべて」もいい映画です。
性別適合手術で女性になった実在の画家の半生を演じています。
ショーン・ペン
来ましたショーン・ペン。
実生活ではかなりの暴れん坊らしいですが、この映画「アイアムサム」のサムは正反対。
とにかく心優しいお父さんの役です。
かなり有名な作品なので、観た方も多いかもしれません。
主人公サムは、自閉症の青年(作品内で自閉症と言う言葉は出てきません)で、一夜限りの女性との間に子供ができてしまいます。
女性は、その子供を産まれてすぐにサムに渡すと、そのまま去って行ってしまいます。
その後、サムは右も左もわからないまま一人で子育てをしなければならなくなります。
隣人や友人たちのサポートのおかげで、娘ルーシーはすくすくと育っていくのですが、途中一つの問題が勃発。
娘の知能レベルが父親の知能レベルを超えてしまうのです。
それを始めとして、今までの父と娘の幸せな生活は陰りを見せていきます。
このサムを演じるショーン・ペンのすごさを一言で言うと、もう自閉症の人にしか見えないということでしょう。
今まで上げてきた俳優と同じパターンの誉め言葉になってしまいますが、
こんな変わったキャラクターなのに、こんなに自然。
これに尽きます。
つまり視聴者が「この人演技上手い!」と思う要素もここにあるわけです。
言い換えると「キャラクターが飛びぬけていて、リアリティもある」ですね。
さて、今までの他の作品に比べて、この作品が特に良いと思うのは、感情面。
サムの娘への強い気持ちと、でも自分じゃ何もできないという苦しさが、観てるこちら側にもビンビン伝わってきます。
アルパチーノの盲目の退役軍人の時の役作りと同じで、多分ショーン・ペンも娘を愛する気持ちや自分の力ではどうにもできないという内面の上に自閉症の動きを乗せていると考えられます。
ただ、自閉症特有の感じ方や考え方があるので、ひとえに動きだけを上に付け足したわけではありません。
そこが、盲目やALSという設定とは違ったところです。
その役の設定が、外的なキャラクター(動き方)だけでなく、内的なキャラクター(感情)にも直接影響しているんですね。
ショーン・ペンの演技もですが、「アイアムサム」はストーリーがとにかくいい。
そして、ルーシーを演じるダコタファニングがかわいい。
まだ観てない人は単純にもったいないので観た方がいいですよ。
ダニエル・デイ・ルイス
世界最多アカデミー賞獲得俳優ダニエルデイルイスです。
ジャックニコルソンとタイで一位ですね。
いくつかアカデミー主演男優賞を取ったあと、一時期は俳優を引退して、イタリアで靴職人になるべく修行をしていました。
そこに、マーティン・スコセッシ監督が訪れ俳優に戻るよう説得し、2002年「ギャング・オブ・ニューヨーク」で俳優に復帰。
その映画でアカデミー主演男優賞にノミネート。
「そんなことあるかよ!」みたいな話ですよね。
靴屋の修行してて、名監督に呼ばれて、出演したら主演男優賞ノミネートとか。
逸話が化け物すぎます。
逸話と言えば、彼の役作りが半端ないというのもあります。
それが、僕がこの俳優の好きなところ。
「ラストオブモヒカン」という作品で、ネイティブアメリカンを演じた時のことです。
彼はネイティブアメリカンのことを深く知るために、6か月間ネイティブアメリカンと共に過ごし、
なんと自力でカヌーまで作れるようになったとか。
映画内でカヌーを作るシーンなんてないのに!
それでこそ俳優。
映画に映るところだけ作りあげればいいっていうもんじゃないんです。
役の生活と自分の生活が切り離せないくらい密接に結びついて、映像に映る部分はその一部分だけ。
そうなってこそ、役の背景まで感じ取れるような人物を演じられます。
残念ながら日本の映画だと、役作りにそんなに時間をとることが製作費的にもスケジュール的にもできないので、難しいのが現状です。
さて、紹介したい作品は、ダニエルデイルイスの出演作の中でTOP1,2で有名なこの作品。
「ゼアウィルビーブラッド」
石油に人生をささげた男の物語です。
この下の動画の数秒のシーンでも、カッコよさがヤバいです。
思わず「すげえ」って言ってしまいます。
役の内面が溢れるほど作れてないとこんな表情や間や動きにはなりません。
でも、「ここがこうだからすごいんだよ」という説明が難しい。
演技も作品も通好みかもしれません。
山ほど色々な作品のいい演技を見て、もう一度この作品に戻ってくるとわかるかもしれません。
エドワードノートン
さて、折り返し地点。6人目はこの人エドワードノートン。
エドワードノートンも、役によって全くキャラクターが変わるすごい俳優です。
特にこの「アメリカンヒストリーX」という作品は秀逸。
平和を愛する心の男が、白人至上主義に傾き、また元に戻る様を描いています。
良く感想として取り上げられるのが、その彼の変化ぶりに対し、
「同じ作品なのに全然違う人に見える!」
というものです。
確かに、同じ作品内でこれだけキャラクターが変わるのはすごい。
ただ「レイジングブル」ではロバートデニーロがやってたし、エドワードノートンのデビュー作「真実の行方」でも姿かたちは変わらないもののすでに同様の変化は見せていました。
僕が思うこの映画で、エドワードノートンの演技がすごいところは、白人至上主義時代の彼。
というか、まさに上の写真のシーンです。
この後顔がドアップになるんですが、
この時の表情ヤバい。
ヤバい以外言葉出てこないです。
盲目とか、ALSとか、自閉症とかそういうハンディキャップなど無くても、1カットだけで魅せられる。
その時の感情だけでなく、白人至上主義に傾倒する思想とか、役の背景まで感じさせる。
エドワードノートン自体役の幅がめちゃくちゃ広いですが、この映画で役作りの深さも深いことを示しました。
ロバートデニーロ
ようやく来ましたロバートデニーロ。
よくアルパチーノと並び評されます。レジェンド。
この写真の作品は「レナードの朝」という作品です。
慢性神経病の患者と先生の話です。
ちなみにロバートデニーロは右の人。患者です。
左はロビンウィリアムス。映画グッドウィルハンティングなどで有名ですね。
慢性神経病の患者を救うために、「パーキンソン病の新薬を飲ませてみると・・・」という物語。
実際に会った話を元にしているらしいです。
話は変わりますが、デニーロの外見からガラッと変える役作りを「デニーロアプローチ」と言います。
一番デニーロの変化が大きいのが、さっきエドワードノートンのところでも名前を挙げた「レイジングブル」という作品です。
ただ、僕個人としてはレナードの朝の方が面白いし、演技も好きです。
本当に慢性神経病の患者に見えるし、その患者が抱いている感情もリアルに伝わってきます。
この演技もショーン・ペンのところで言った、
こんな変わったキャラクターなのに、こんなに自然。
です。
僕自身も病気や障害を持った役(ALS・自閉症)を演じたことがあるんですが、役作りしている最中ずっと頭にあるのは、
中途半端に作ったら、本当に病気の人に失礼極まりない。
です。
僕の演技を見て、「馬鹿にしてんのか!」と思わせたくないし、悲しませたくない。
かといって、やっぱり身体の動作は健常者と異なるわけです。
だからこそ、その特徴のある動きに違和感が残る状態で撮影には臨めません。
インターネットや本や、あとは実際に障がい者施設に行ったりして、研究を重ねて身体にその動きを慣れさせていきます。
当然それと同時に内面(感情)部分も作っていきます。
レナードの朝は、それのトップレベルにある作品だと思います。
ロバートデニーロはもちろん、他の患者たちも全員上手い。
「本当に慢性神経病の患者たちキャスティングしたのかな」と思うくらい。
作品としても面白いです。オススメ。
ブラッドピット
さて、8人目はブラピことブラッドピット。
イケメン俳優として注目されてましたが、演技力もかなりのもの。
「ブラッドピットの演技はここがすごい!!」
というのは特に見つからないんですけど、どの作品を見ても「あー、やっぱブラピ上手いわ」って思います。
今回紹介したのは、有名な「ファイトクラブ」。
ブラッドピットの別人格?としてエドワードノートンも演じています。
エドワードノートンを見たくて、ファイトクラブを観始めたんだけど、いやいやブラッドピット上手いじゃん!
とむしろブラピの方に目線が行ってしまいました。
なんというか雰囲気があります。
あ、ちょうどいまブラピつながりで一つ思い出しました。
ブラッドピットも好演している「イングロリアス・バスターズ」。
この映画に出てくるクリストフ・ヴァルツがめちゃくちゃうまい。
上手い俳優top10どころかtop3に入るくらい上手いです。
ただ、ハリウッド俳優の枠組みに入れていいものかどうか・・・
彼はオーストリアの俳優なんです。
イングロリアス・バスターズ見て、「なんだこの人!!!」と思い、ググってみたら、当然のようにアカデミー賞取ってました。
全然ブラッドピットの良さが伝わらない紹介になってしまいました(笑)
作品はどっちも面白いですよ。
レオナルドディカプリオ
9人目はディカプリオです。
タイタニックで一世を風靡しました。
THEイケメン俳優として認知された彼は、どんどん演技派の方向に進んでいき、今はどんな役でもこなすTHE演技派俳優です。
・・・というのは、実はちょっと間違った認識です。
実はタイタニックの4年前に撮影された「ギルバート・グレイプ」で、知的障害を持つ少年を演じています。
タイタニックの4年前ということでかなり若いです。
こんな感じ。
このころから素晴らしい演技を見せていました。
そしてこの若さでアカデミー賞にもノミネート。
ちなみに、横にいるディカプリオの兄を演じているのは、若かりしジョニー・デップです。
正直この映画では、ディカプリオの方が断然良かったです。
さて、そんなレオ様もお歳を召して、様々な役で評価されています。
そんな中、僕がオススメしたいのがこれ。「ウルフオブウォールストリート」。
ウォール街で、法律違反すれすれで荒稼ぎしまくる経営者を演じています。
やることなすこと全てド派手。
近くにいたらあんまり友達になりたくないタイプの人間ですが、演技の観点で言うと満点に近い。
はっきり言って上手いです。
演技の上手さを測る基準の中に、大きく演技できるというのが(僕の中で)一つあります。
大体の俳優はリアリティを意識するあまり、キャラクターを小さく作ってしまいがちです。
特に日本の俳優はそうなりがちです。ただ菅田将暉さんとか例外もいます。
この大きく演技をするというのは、さんざんこの記事で紹介してきた「盲目・ALS・自閉症・慢性神経病」のような病気や障害も含みます。
とにかく特徴的な動きは一旦振り切って作った方がいい。
明らかに違和感があるくらい大げさに作って、その後に、現実に存在するくらいの大きさまで凝縮していきます。
そうすると、最初に振り切って作ったキャラクターの大きさの余韻が残り、いきいきした演技になります。
逆にリアリティを維持したまま、少しずつ大きくしていくと決してそのレベルのいきいきさには達しません。
ここら辺は、役作りのコツみたいなものです。
詳しくはこちらの記事の真ん中あたりで解説しています。
話を戻すと、ウルフオブウォールストリートのディカプリオは、キャラクターが大きいです。
それを現実にいるかもしれないと思える範囲まで凝縮している。
だから、好ましくない人間性だとしてもすごくいきいきして見える。
簡単に言いましたけど、キャラクターを大きく作って、凝縮して、自然な演技というのは難しいんです。
程度を間違えるとコメディになってしまう。
今回挙げたTOP10の俳優はTOP10だからこそできるんです。
彼も、どこかのインタビューで、「この役作りは今までで一番苦労した」と言ってました。
タイタニック以降ディカプリオの映画を観ていない人や、良い演技を観たいあなたはこの映画をどうぞ。
ヒースレジャー
さて、10人目最後はやっぱりこの人。ヒースレジャーです。
紹介する作品は一捻りして「ブロークバックマウンテン」とか「キャンディ」とかにしようかと思ったんですが、結局ヒースレジャーの代名詞でもある「ダークナイト」に落ち着きました。
ダークナイトとは、アメリカのコミック、バットマンの話です。
ヒースレジャーはバットマンの敵、ジョーカー役として出演しています。
肝心の演技を一言で言うと、
完璧
これ以外ないでしょう。
この域まで生涯で達する俳優が何人いるんでしょうか。
しかしこの役作りの末、精神に異常をきたし、完成された作品を見ることもなくヒースレジャーは28歳の若さで死んでしまいました。
ジョーカーの演技の詳しい凄さについては、下の動画で語っています。
動画は長い尺なので、お暇があるときにでも見ていただければと思います。
ここまで読んでいただいた映画好きのあなたへ。
以上、現役俳優が思う演技が上手いハリウッド男性俳優TOP10でした。
本当は、アンソニーホプキンスや、モーガンフリーマンや、マーロンブランドとかも入れたかったんですが、あまりにも長すぎてもと思い10人に絞りました。
ちなみに、演技が上手い日本人男性俳優、演技が上手い日本人女優TOP5も記事にして公開してあります。
日本人男性俳優TOP5の記事では、演技の上手い下手を見分けるポイントもざっと説明してます。
ご興味がある方はこちらからどうぞー。
youtubeに、この内容を動画としてアップしました。
正直内容自体は、このブログ記事の方が細かく書かれてます。
でも、あなたの演技力アップに役立つ他の動画も用意してますので、良かったらyoutubeのチャンネル登録もお願いします。
僕のツイッターでは、ブログとは少し違ったテイストで演技や映画のつぶやきをしています。
ブログほど本腰を入れずに、秒速で読めてちょっとタメになるようなことをつぶやいています。
#シドアンドナンシー#ゲイリーオールドマン の出世作になるのかな?
— 俳優で旅人 ヒロユキ (@hir_o_o_o_o_) September 4, 2019
つーか、このキャラクターライゼーション(外的役作り)神でしょ!ここまで本人に似るか?
参考画像選ぶのも、あれ?これ本物?って迷った。
未見の人は、特に最後の方にシド(ゲイリー)が歌うマイウェイを聞いてほしい。#映画 pic.twitter.com/BTbxG2VpVK
演技力の要素の一つに「意識の方向」というのがある。日常生活と同じように、舞台上やカメラ前でも意識を向けることができるか。
— 俳優で旅人 ヒロユキ (@hir_o_o_o_o_) May 21, 2021
上手い俳優は皆できてる。
具体例を上げると、#ゴッドファーザー Ⅰのマイケルがトイレで銃を探してから撃つまでのシーン。
ここは意識がパッパッと入れ替わってる。 pic.twitter.com/OrH1gscvMw
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