三浦春馬さんおすすめ本「メソード演技」わかりやすく解説【リラックスと集中】

三浦春馬さんおすすめ本「メソード演技」わかりやすく解説【リラックスと集中】

この記事は、

・三浦春馬さんがおすすめしてた「メソード演技」ってどんな内容なの?

・読んでみようとおもったけど、めちゃくちゃ高くない?

・読んだけど、意味わからんかった

という方に向けてとにかくわかりやすく書いていきます。

この記事を読むとこんなことがわかります。

①メソード演技練習方法その3「リラックス」やり方と効果

②メソード演技練習方法その4「集中」やり方と効果

この記事では、三浦春馬さんがおすすめしていた演技書「メソード演技」から「リラックス」と「集中」という練習方法を、わかりやすくかみ砕いて解説します。

本の概要とメソッドの基礎となる「五感の記憶」「感情の記憶」の解説は、こちらの記事をご覧ください。

どうも俳優をやっているヒロユキと言います。

僕は今年で俳優歴13年目になります。事務所に所属していないこともあり大きい作品には出ていませんが、それでもTVドラマ、映画、舞台、ラジオドラマ(製作、脚本、主演)など色々な媒体に出演してきました。

また、この13年間「演技とは」ということを考え続けてきました。その間にスタニスラフスキーシステム、リーストラスバーグメソッド、マイケルチェーホフテクニークなど様々な海外の演技論も学び身体に落としてきました。

さて、この記事では演技書「メソード演技」からリラックスと集中について解説します。

リラックスと集中は反対の言葉のように感じますが、実は相互に補完しあっているものです。

つまり、リラックスしているから集中できるし、集中しているからリラックスできるのです。

今回の内容は俳優でなくても仕事や勉強で役に立ちます。

しかし俳優にとってはもっと大切な内容です。

なぜなら俳優は感情という目に見えないものを扱わなくてはならないため、ソファーで横になるとか、カフェでコーヒーを飲むといった通常のリラックスでは全く足りません。

演じるためには、もっと深いリラックスが必要になってきます。

その深いリラックス状態に入るために集中を使っていきます。

この「メソード演技」という本はとにかく読みにくいので、理解しやすいように補足しつつ、練習方法とその効果を解説していきますね。

そもそもメソッド演技ってなんなの?という方はこちらの記事に詳しく説明していますので、ご覧いただければと思います。

それでは、スタート!

メソード演技練習方法その3「リラックス」

人生においてだれもがよく経験するように、緊張は、ほとんどすべての役者が、舞台で経験するものだ。
舞台効果を希望どおりに実現できるかどうかの七十五パーセントは、この緊張をいかにリラックスさせるかに、かかっている。

p.91

「メソード演技」の作家エドワード・D・イースティは、このように、練習で培った役の感情やキャラクターを舞台上(カメラの前)で発揮するにはリラックスして緊張をとることが重要だと言っています。

また、この文章のあとには、

緊張には肉体的緊張と精神的緊張の二つがあり、互いに密接して関係しあっている

と書かれています。

つまり、精神的不安が肉体的萎縮を生み、逆に片方の問題が片づくともう片方も片づくというわけです。

「なるほど!それじゃあ体の緊張してるところをゆるめれば、緊張してる心もゆるむんだ!(ほんとかよ)」

事実、身体の緊張している部分をゆるめることによって、心もゆるみます。

正確に表現すると、身体がゆるんでリラックスしている状態を感じていると、心が負担に思うことをわざわざ考えたくなくなります。

ここで、ムリヤリ心が負担に思うことを考えると、たちまち身体もまた緊張していきます。

さて、それではどうやって体の緊張を取り除けるのでしょうか。

肉体的緊張のとりのぞき方

著者のエドワードは、肉体的緊張を取り除くには、まずこの二つが重要だと言います。

①その存在をはっきり意識する

②緊張の場所に気づく

まず自分のどこが緊張しているかをしっかり意識するところからがスタートです。

一般的には、緊張している部位をマッサージしたり、伸ばしたり曲げたりすれば緊張は取り除けます。

でももし、「のど」のような部分が緊張していたらどうでしょうか。

この場合直接マッサージしてもあまり効果があるとは思えません。

ここでエドワードは、あくびをしたりして「口の周りの筋肉をゆるめる」ように言っています。

また、それと合わせて息切れの原因となる横隔膜の筋肉もゆるめる必要があります。

なぜなら、筋肉の一部分に不自然な圧迫を受けると、筋肉組織全体の調子が狂ってしまうからです。

例えば、首に力を入れすぎると、肩や胸、背中などにも影響を及ぼします。

だからこの場合には、のど(声を出すところ)と連動している筋肉をゆるめることによって、のどの緊張をゆるめていくわけです。

からだの緊張度の確かめ方

さて、それではどこがどのくらい緊張しているかを感じるにはどうすれば良いのでしょうか。

著者エドワードは、簡単に確かめられるテストを用意しています。

からだの緊張度をためすには、つぎのようなテストをしてみなさい。
あおむけに床に寝て、圧迫感がどこにはたらいているかを感じとる。
からだのどの部分が床と接しているか?
肩甲骨、臀部、足のふくらはぎだけが接している人がほとんどだろう。
(中略)
床にふれない部分は、緊張状態にあるのだ。
背骨、肋骨の背部、肩、首、ひざの後部、すべて床にリラックスするべきなのに。
p.98,p.99

上のやり方で、緊張している部位を確かめたら、今度はその緊張を取っていきます。

著者が、本の中で紹介している方法はこうです。

①つま先から首まで、足や胴体のそれぞれの筋肉を順番に緊張させて完全な硬直状態になるまでこわばらせる。

②そのあと、全ての筋肉を一気にゆるめる。

③これを2~3回行う。

たしかに、この方法にも効果はありますが、現実的にはこれでは浅い部分でしかリラックスできません。

本当に深いリラックスをするには、身体の各部位に意識を移動させつつ、身体を動かしながらリラックスをしていきます。

結構これは難しいです。

ただ、やり方に慣れていって本当に深いリラックスに入ると、号泣したり、怒鳴り散らしたり、理性で制御されていた感情が一気に爆発します。

何で泣いているのか、何で怒っているのか、自分自身でもわかりません。

俳優でなければ、ここまでのリラックスが必要になることはあまりないと思います。

ご興味ある方はこちらの記事をご覧ください。

感情表現にはリラックスが必要

リラックスする努力は、緊張感のある感情的な役にも、おとなしい役に対しても全く同じように行う必要があります。

「メソード演技」の中では、熱狂的な役を演じる時に、俳優自身が熱狂的になってしまってはいけないと書かれています。

むしろ心をリラックスしなさいと。

しかし、僕の経験から言わせてもらうと、これを読んで「はい、そうですか」とリラックスして演じるのは難しいです。

熱狂的な役(またはどんな役でも)に近づくために、前のメソード演技の記事で解説した「五感の記憶」や「感情の記憶」をフル活用して、何週間、何カ月とかけて役作りをしているわけです。

そして、ようやく役の気持ちに近づいてきたと感じているものを、本番で手放してリラックスして臨むのは正直怖い。

「本番で何も感じなかったらどうしよう」

と考えてしまう。

本番で感情が湧き出てこなかったら、嘘で演じるしかないですからね。

何ヵ月間練習しても出てこないときは出てこないです。

今までの苦労が・・・・・・

だから、俳優はせっかくつかんだ役の想いを必死に繋ぎとめておきたいと考えます。

しかしこの本に書かれている通り、「熱狂的な役だから熱狂的っ・・・熱狂的っ・・・」と緊張していると、やっぱり本番で全く感情が生まれないことが多いです。

だから、確かにリラックスが必要だということもうなづけます。

でも、でも、作ってきた役の想いを手放すのも怖い・・・

そこで、大事になるのが

役の感情を刺激する対象物への「集中」です。

メソード演技練習方法その4「集中」

肉体的リラックスと精神的リラックスのふたつが、密接な関連があるように、「リラックス」と「集中」のふたつも、全体として密接に関連する。ふたつのうちどちらも、他方の助けなしには存在しえないことを、役者は発見するだろう。
(中略)
定義すると「集中」とは、「対象を、もっと量的に小さなもっと強力なものに、凝縮するために、注意力を対象にしぼる」ことだ。

p.102

人は、緊張から逃れようと考えると、なかなか緊張から逃れられません。むしろより緊張してしまったりします。

これを回避するには、緊張している物事よりももっと別のことに集中することです。

そうすれば、緊張を生んでいる対象から意識がそれ、リラックスすることができます。

本「メソード演技」の中では、観客を前にしてあがらなくなるにはどうしたら良いのかという点から「集中」を説明しています。

理論はこうです。

①舞台上で、観客を意識してしまうから緊張してしまう。

②だから、観客と舞台との間に「五感の記憶」を使って想像の壁を頭の中に作る。

この想像の壁を作り出すには、「見る」という単純な感覚的な作業を行います。

やり方は簡単で、自分の部屋の見慣れた壁を観客と舞台の間に設置します。

つまり舞台から客席の方を向くと、壁の色、掛かっている絵、壁に接しているあらゆる物を見ることができます。

これには、二重の利点があります。

①ひとつは、あなたの意識を観客からそらすことができるということ。

②もうひとつは、観客が「今起こっていることは舞台で起こっているのではなく、四方を壁に囲まれた部屋で実際に起こっていることなんだ」と感じることです。

これを著者がまとめるとこうなります。

役者が舞台で真に「見る」ならば、観客は本能的にそれをさとり、役者の行為を信じ、彼の視線、それにともなう思念についてくるものだ。
この単純な作業に「集中」し、見るという基本的な努力をつらぬくことが、正しい方向に演技しはじめる出発点となる。
p.103

さて、それではどうやって集中して見ることができるのでしょうか。

集中の訓練方法

集中の訓練方法については、この「メソード演技」に書かれているやり方と、僕が効果があると思うやり方が違うので、二つとも紹介します。

あなたにとって、効果がありそうだなと思う方を選んでいただければ構いません。

「メソード演技」
①観察の対象を教師にえらんでもらう(スタンド、絵、机、椅子など)
②それを30秒ほどじっと観察する
③その後、物を見ないで色、形、材質などできるだけくわしく説明する
④さまざまな対象物で試してみる
⑤細かいところまで気が付くようになったら、見慣れないものを4秒か5秒で細かく観察し、詳しく描写する

ヒロユキのやり方
①あなた自身が好きな対象を選んでいい(床のひび、灰皿、換気扇、メッキのはげた椅子)
②選んだ対象を見て、触って、匂いを嗅いで、音があるなら音を聞いて、五感でフルに味わう
③どういったものかを説明する必要はない。自分自身が感じていればOK
③時間は15分から30分とじっくりかける
④その対象に愛着が生まれ、一緒にいることに居心地が良くなる状態まで行う

「メソード演技」のやり方は、「見る」ことに特化した方法です。

そして、対象物を細かく具体的に見て理解するまでの時間を短くしていき、最終的には舞台と観客席の間に想像上の壁を一瞬で作ることを目的にしています。

目的に対して単純明快ですね。

対して、僕のやり方は五感をフルに使って、「見る」以外の感覚も使って全身でその対象物を観ます。

時間もたっぷりかけます。

そうして、その対象物を触って、匂いを嗅いで、隣にいて、眺めていると、次第にじゃれているような、遊んでいるような感じになってきます。

ペットとか友達とかに感じてくるかもしれません。

こうすると、その対象物の細かい部分があなたの心に影響を与えます。

例えば、普通はただの床のひびにしか見えないものが、

「でも、このひびの先の微妙に丸みがかっているところが可愛くない?」

と独自の怪しい感覚を持ち始めます(笑)

あなたにしかわからないあなただけのひびになります。

観察することで、対象物を理性的に色や形状として捉えるだけでなく、俳優の心に影響を及ぼすものに変えられるわけです。

実際俳優は、感情が動いてなんぼなので、どんな物とも深く繋がれた方が、想像の世界に入りやすくなります。

一つの対象物に対して時間はかかりますが、演じる上で役に立つ観察と集中の訓練です。

ちなみに、この訓練方法は当然ですが僕が考えたものではありません。

マイケル・チェーホフという俳優兼演出家が、この練習方法を編み出しました。

名前は「フィーリングオブイーズ(feeling of ease)」、日本語では「楽の感覚」と言われています。

本来は観察するための練習ではなく、どんな状況でも楽にいられる部分を見つけ出す練習です。どちらかというとリラックスに近いです。

このフィーリングオブイーズなら、舞台と観客席の間に想像上の壁を作らなくても、舞台上のセットの何かに自分が楽にいられるものを見つければ、緊張から解放されます。

「メソード演技」の集中のやり方にしろ、フィーリングオブイーズにしろ、とにかく何かに集中することによって、観客席や、あなたに緊張を与えるものから意識をそらしリラックスができます。

例えば本番前に緊張するようなら、自分の指紋を観察してみたらいいかもしれません。どこにでも持ち運べますしね。

本番前に役から離れてしまうのが怖いのなら、役としてその指紋を見てみたらどうでしょう。

うまくモノにしたら、役の意識を保ちながらも、緊張だけやり過ごせるあなた独自のテクニックになるかもしれません。

まとめ

以上、リラックスと集中でした。

今回ご紹介したのは、集中することでリラックスを生む方法でした。

それでは、逆にリラックスしてるときはいつも集中しているのでしょうか。

これを考えるには、どんな時が一番リラックスしているかを考えてみるといいかもしれません。

このブログでは、一番リラックスしているときは「友達とふざけあってるとき」だと定義しています。

色々意見はあるかもしれませんが、ふざけあってる時ほどアイディアが自由に沸いてきて、楽しさで心が包まれている瞬間はないと思うのです。

さてそれでは、友達とふざけあってるときにはどこに集中しているかというと、

「どうすればもっと楽しめるか」

この一点です。

勉強するための集中や、対象物を観察する集中とはレベルの違う集中力です。

とにかく楽しくなりたい。それだけ。

友達と遊んでるときじゃないですよ?友達とふざけあってるときです。

この瞬間だけは、仕事のことや他の人間関係の悩みも全部吹き飛んでいます。

ちょっとした無敵感すらあります。

この状態が意図的に作り出せたら・・・

緊張とは無縁で芝居に臨めると思いませんか?

参考記事

演技書「メソード演技」の概要と、基礎となる練習「五感の記憶」「感情の記憶」

そもそもメソッド演技とは?俳優に与える影響とは?(人気記事)

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