演技が下手な人の原因とは。棒読み?大げさ?原因は4つあるという話

演技が下手な人の原因とは。棒読み?大げさ?原因は4つあるという話

テレビドラマや、映画を観てて、「うわ~この人演技下手だなぁ」と思う事ってありますよね。

プロの俳優女優に対して失礼だとは思いますが、僕も良く思います(笑)

では、彼ら彼女らの「下手だなぁ」は何が原因なのか解説していきたいと思います。

演技が下手な人は何が原因なの?棒読み?大げさ?
日本人は演技が下手な人が多いって言うけど実際どうなの?

この記事ではこんな疑問に関して説明していきます。

また、読み終わると以下のことがわかります。

演技下手な人の原因4つ。そしてその改善点
現役俳優が思う日本人の演技は世界と比べてどうなのか。
【耳に痛い話】日本の演技が世界に通じていない理由

どうも俳優をやっているヒロユキと言います。

僕は今年で俳優歴13年目になります。事務所に所属していないこともあり大きい作品には出ていませんが、それでもTVドラマ、映画、舞台、ラジオドラマ(製作、脚本、主演)など色々な媒体に出演してきました。

また、この13年間「演技とは」ということを考え続けてきました。その間にスタニスラフスキーシステム、リーストラスバーグメソッド、マイケルチェーホフテクニークなど様々な海外の演技論も学び身体に落としてきました。

この記事では、こんな僕の目から演技が下手な人の理由を解説していきます。

とくに、最後のトピック【耳に痛い話】日本の演技が世界に通じていない理由は、記事を読んでくれてるあなたにとっても耳が痛い話になるかもしれません。

それではさっそくスタート!

演技下手な人の原因4つ。そしてその改善点

さっそく演技が下手に見える原因を4つ上げてしまいます。

俳優にとって致命的な順番で上から書いていきますね。

・演技とはそれっぽく見せることだと思っている。(演技が何かをそもそも理解していない)

・段取りを進めることを最優先にしてしまっている。

・演技の基礎力が足りない。

・練習時間(役作りの時間)が足りない。

・演技とはそれっぽく見せることだと思っている。(演技が何かをそもそも理解していない)

そもそも「演技とは何か」を理解していないという致命的過ぎる問題がこれです。

そして、一番このパターンが多いと思います。

まず、演技とは何かを定義しますね。

(カメラの前や舞台の上で)その役として本当に存在し行動すること。

です。

本当に存在するとはどういうことかというと、

役として状況を理解し、相手役の言葉に心が揺れ、怒り、泣き、笑い、とっさに出てきた言葉がたまたま脚本に書いてあるセリフ通りになっているということです。

つまりカメラの前や舞台の上でも、日常生活と同じ状態でいられるということです。

だから、良くある「すぐに泣ける」だとか、「狂った演技がすごい」だとか、「大げさ」だとかそういうのは全て的外れなんです。

それらは全て「それっぽく」みせてるだけ。

そうではなく

その場で本当に感じた結果として

泣いてしまったり、狂ったような動きになったり、大げさだなと思われる演技になるわけです。

だから僕は、「俳優が一番噓のない仕事」だと思っています。

僕たちは日常生活で、「次の言葉はこんな風に言おう」とか、「わざとらしくないくらいでびっくりしよう」とか特別な状況でない限り考えないですよね。

その普通の日常生活と同じように、俳優は舞台上やカメラの前で演じるべきなんです。

こういうのは×です。

「次のセリフの言い方を考えている」=「理性で考えている」=「すでに想像の世界にいない」

実はここが声優とは大きく違うところです。

声優は、アニメキャラや吹替の口の動きに音を合わせなければいけないですし、俳優に比べて役作りの時間も圧倒的に短い。

また、立った状態でマイクに向かって声を出さなければいけない(顔を動かせない)ですし、脚本を手に持ちページをめくる音に気を付けなければならないなど、日常生活とはかけ離れた状態で演じます。

それでいて突拍子もない設定(魔法少女、ドラゴン、ロボット)やセリフ、息遣い、咀嚼音なども表現しなければいけません。

ですから、声優は声を使った器用さが求められます。

これは職業上仕方ありません。瞬間的にニーズに合わせて変えられる能力とも言いましょうか。

かたや俳優はそういう特殊な状況には置かれません。

殺人を起こして牢屋に閉じ込められているという設定だったとしても、役作り期間で、その設定や感情、キャラクターを体に落としてから臨みます。身体は自分の望むように動かせるし、脚本を手に持ちながら演じることもありません。僕らの日常生活からはかけ離れた設定だとしても、その役として生活をすればいいわけです。

だから器用さよりも、役にどれだけ近づけるかが俳優の仕事となります。

ここを誤解している俳優が多い。

もちろんすぐに泣けたり、頭のおかしい演技ができると観客の眼はひきますが、はっきり言って薄っぺらい。

中身が伴っていないからです。

セリフが棒読み、動きが大げさ、全て同じ理由です。

役として生活できていない。

「このキャラクターは、〇〇な性格だからこんな感じで動くだろう。こんな感じでセリフを言うだろう」

と役に対して愛情の欠片もない考え方をしているか、もっと悪ければ

「この監督は〇〇な性格だから、大げさに泣いてみよう。観客も急に泣き始めれば僕(私)のことを上手い俳優だと思ってくれるはずだ」

と、作品以外のことに意識が行ってしまっています。

こうなると芸術性のかけらもありません。

役への冒涜だし、作品への冒涜です。

自分が俳優だからか、強い言葉で言ってしまいました。

器用な俳優がいい演技をするという考えは、一刻も早く日本から消え去ってほしいですが、現状そうなってしまっている理由も仕方なしですが理解できます。

なぜなら、本来演技は間口がとても狭いのです。

歌のように、すぐに楽しめるものではない。

相手役の言葉に反応して役として動く。と一行で済むようなことでも、

実際にそうなるためには、最低でも1年はかかります。

冗談じゃなく、本当に1年以上かかります。

僕は一年半かかって、ようやくその時の先生から「ここがスタートラインだ」と言われました。

状況を信じて、想像の世界で日常生活を送るというのはとても訓練に時間がかかるものなのです。

そして、そこから先がもっともっと果てしなく長い。

それに、俳優は感情を扱います。感情は絵とかダンスのように目に見ることができません。

音楽のように、音程やリズムなどのずれを聴いて直すことができません。

だから、どうしてもわかりやすい「泣ける」「おおげさな動き」「頭がおかしい」など目に見えてわかることに流れてしまいがちなのです。

ただ繰り返しになりますが、そういった演技を続けていたら、それ以上成長することはないし、人を感動させる演技になることは一生ありません。もし、それっぽく見せることが演技だと考えているとしたら、今この瞬間から変えるべきです。

現役俳優が思う演技が上手い日本人俳優・女優TOP5という記事を以前書きました。

ここで、彼ら彼女らが出演している映画も紹介しています。

この映画の出演者はみんな、役としてちゃんと映画の中で存在しています。生活を送っています。

良い演技を観たくなったら、参考にしてみてください。

段取りを進めることを最優先にしてしまっている。

さて、次は段取りです。

まず段取りとはなにか。

簡単に言えば約束事です。現場それぞれ、1シーンそれぞれにあります。

舞台だったら「バミリ」といって、床にテープでしるしを貼っておき、そこに立ってセリフを言う。

だとか、暗転中にセットを動かす。だとか、殴っているように見えて実際は殴らないだとか(当たり前)、そういう約束事です。

この中には、演技に関することも結構あります。

相手役の言葉を立たせたいから、相手役の言葉を言い終わってから、少し間を空けて次のセリフを言うだとかです。

基本的に監督や演出家の演出プランによります。

100%役として想像の世界にいて演じていると、そういった段取りを全て無視することになってしまいます。

ただ、そうなると作品として成り立たなくなったり、盛り上がりに欠けたりします。

だから、段取りというのは作品を作るうえでどうしても必要となってきます。

そこで難しいですが、演じる時には「基本的には想像の世界の中で生活を送りつつ、段取りは頭の隅で理解しておく」という事が必要になってきます。

ただ、慣れてなかったり、監督や演出家に厳しく言われると、段取りのことの方が頭の大部分を占めます。

「次のセリフは抑え気味に言って・・・相手がちょっとびっくりするはずだから、その反応を受けて僕もびっくりして・・・」

みたいな。

もう全然役として生きていないですよね。

本当にこのバランスは難しい。どうしても段取りが頭を占めることの方が多くなる。

なぜなら僕らの理性優位の日常に近いから。

想像の世界に普段から浸っている人は、この現実世界ではさぞかし生きにくいことでしょう。

僕らはお金を稼がなきゃいけないですし、ごみを捨てたり、ご飯を作ったりしなければいけないのです。

想像の世界に浸ってられない。理性的でなければいけない。

この想像の世界で生きるのと、段取りを考える割合は、演出家や俳優がそれぞれ自分なりのものを持っています。

7割想像3割段取りとか、9割想像1割段取りとか。

ちなみに僕の場合は、10割想像に振ります。

「え?それじゃあ、段取り無視するの?」

いえいえ、無視するわけじゃありません。

俳優によっても、想像を信じやすい人もいれば、物事を論理的に考える日常から離れにくい人もいます。

僕の場合(たぶん大多数の俳優の場合)は、役の世界に10割入り切ってしまおうと思っても、1割くらいは絶対に理性が残ります。

嫌でも段取りが頭の中にあります。

10割想像の世界に入る!と決めて、段取りが全て飛ぶ人は、正直天才です。

うらやましいとは思うんですけどね。

そういう天才の方は、1割なり3割なり自分の状態をみながら、理性を残してもいいと思います。

ただ、ほとんどの人は想像の世界に全力で入っても、どうせ(残念ながら)段取りのことも頭の中に残っているので、あえて理性を残さなくても大丈夫です。

変なストップをかけるくらいなら飛び込みましょう。

演技の基礎力が足りない

もう、これはそのままです。

感情がスムーズに流れない。

キャラクターをつかみ切れていない。

段取りばっかり気にしてしまう。

役の自然なノリが出てこない。

役の目的・障害がはっきりわかっていない。

脚本の読み取りができていない。

単純に技術不足です。

あなたがもし俳優で、自分の技術が足りないなと思うのであれば、

まずはちゃんとしたレッスンをしっかり受けましょう。

器用さを求めるレッスンを現在受けている(そして事務所の関係とかでやめられない)のであれば、違うレッスンも併せて通った方がいいです。

もし、発声練習、滑舌(そして謎にダンスや歌)などのレッスンを受けてるとしたら、そこは器用さしか求めてません。

辞められるなら辞めた方がいいです。

演技論(演技テクニック)は色々ありますが、個人的な経験から言うと、

スタニスラフスキーシステム、リーストラスバーグメソッド、マイケルチェーホフテクニーク辺りをしっかりやると演技技術は向上します。

僕のブログの他の記事にもいろいろ書いてあるので目を通してみてください。

練習時間(役作りの時間)が足りない

これは俳優だけの問題とも言えないですが、下手な演技になる理由の一つです。

すごくわかりやすい例で言うと、韓国。

韓国の映画は正直めちゃくちゃうまいです。はっきり言って、アジアで一番俳優のレベルが高い。

それなのに、韓国のドラマはお世辞にもうまいとは言えない。

これはなぜか。

聴いた話になりますが、どうやら韓国ドラマは収益のため、製作スパンがとても短いらしいです。

俳優に脚本が配られて一週間後に撮影とか。

一週間だと、セリフを覚えるくらいしかできません。

しかも連ドラだと、1話の撮影が終わって役作りをする間もなく次の撮影です。

たしかにそうなると全く練習できないので、あまり演技が上手くないのも納得できます。

あともう一つは、俳優に対する周囲の理解の無さもあります。

これは韓国だけでなく日本でも起こっていることです。

一つ目の「演技とは何か」でも言った通り、それっぽく見せること=演技だと考えている人が多いのが原因です。

監督もプロデューサーもそう考えている人がたくさんたくさんいます。

だから、1週間もあれば作って来れるよねと考えて予定を組んだりします。

しかも、そういう作品に限って殺人鬼の役とか「激ムズ」な役を振ってきたりします。

殺人鬼の心情を理解して、同じように殺意を持って人を殺すことも可能になるくらい作りこむのにどれだけ時間がかかるのか。

役として本気で生きるってそういうことです。

「ああ、人を殺したくなるよね。わかるわかる」ではなくて、一人の人間を殺めるためにどれだけの心の障害を押し殺したのか、葛藤があったのか、それを丸ごと理解し共感します。

それを行っていくのが役作りです。

役という人物の人生の最大の転換期を演じさせてもらうのです。

一週間でできるわけがありません。

それと、日本の作品を作る予算の少なさも原因の一つにあります。

例えばロシア最大の劇団で、モスクワ芸術座という団体があります。

そこは、8時間にもわたる一つの作品を作りました。

2時間の公演を1日の内に4幕。間に3回休憩をはさみます。

その公演までの準備期間は、なんと4年

俳優も演出家もその作品のために4年間稽古だけし続けるわけです。

日本じゃ考えられない。

ロシアは、国から芸術活動に補助金が出ているからなせる業です。

その時の舞台の一部をビデオで見ましたが、もう日常そのままでした。

嘘偽りなく、その場で生活している人たちが見える。すごい演技でした。

でも、4年かぁ・・・さすがに飽きそうだな・・・

現役俳優が思う日本人の演技は世界と比べてどうなのか。

世界、とりわけハリウッドと比べて日本の演技力はどうなのかというと、

正直全体的なレベルでは、やはり低いです。

ゲイリーオールドマンや、エドワードノートンのような、役によって同じ人間が演じてることが信じられない演技は、まだ日本で見ることはできません。

また、アルパチーノ、ダスティンホフマン、ロバートデニーロ、マーロンブランドといった大御所。

世界の映画を牽引した彼らに匹敵する日本の俳優と言えば、誰でしょう。

勝新太郎さんになるのかな。

勝新太郎さんはもちろんすごい役者ですけど、世界的な名声は置いておいたとしてもやはり演技力でも僕はハリウッドの大御所には届いていないと思います。

俳優の演技力は当然ながらデータ化できるものではないので、どうしても僕の主観になってしまいますが、もう一つ届かない。

それでしたら、韓国の俳優の方が世界に通用します。

例えば、ヤン・イクチュン

菅田将暉さんとともに、「あゝ、荒野」で主演を務めました。

それも良かったですが、彼がその数年前に主演した映画「息もできない」はとても良い。

邦題付けた人のセンスも素晴らしい。観終わったときに本当に息ができなるくらい心に来る。

元々韓国の原題が「糞蠅(くそばえ)」なので、これは邦題で変えて成功したなと思ってます。

とにかく、とてもいい役者さんです。

あとは、母なる照明という映画のお母さん役、キム・ヘジャ。

うまい。

すごい。

重い。

これもおすすめ映画です。

上の「演技が下手な原因」トピックでも話しましたが、現在アジアで作品や演技力が一番高いのは韓国だと思います。

2019年、大阪で行われた大阪アジア映画祭というアジア各国(日本、韓国、ベトナム、スリランカ、フィリピンなど)から様々な映画を集めた映画祭に行ってきたんですが、作品はともかく演技は韓国の映画の主演女優さんが僕が見た中では一番上手かったです。

終演後、一言話す時間があったので「演技上手かったです。どこで習ったんですか?」と聞いたところ、

「習ったことないんです」

と言われ、びっくりした覚えがあります。

観てる作品や俳優のレベルが高いから、習わなくても上手いのかな・・・

少し前までは、ブルースリー、ジャッキーチェン、ジェットリーと、香港が圧倒的だったんですが変わってきましたね。

BTSやNIZIUなど音楽やアイドルにも力を入れていてエンターテイメントは今は韓国一強という感じがあります。

しかし、演技力に関しては日本も最近は捨てたもんじゃないなと思っています。

ここ10年から15年くらい、特に若い俳優を中心に演技が上手い人が増えていると感じています。

キャラクターの変化の大きさは、まだ海外に及ばないものの、感情の強さだったり、意識の繊細さなどは引けを取らない部分も出てきています。

上でも紹介しましたが、以下の記事で演技レベルの高いおすすめの映画を紹介しているのでお時間があったら観てみてください。

ただ、日本の一番の弱点はやっぱり言語ですね。

世界に通用するためには、どうしても英語が必要です。

日本語でめちゃくちゃいい演技のいい作品ができたとしても、海外目線だと、アジアの島国が頑張ってるなくらいの感想しか抱かれない。

香港映画(カンフー映画)みたいにアクションで魅せられれば、言語が中国語でもそこまで大きな問題にはなりませんが、日本が得意とするヒューマンドラマはやはり言葉が要です。

演技の質は少しずつ世界に近づいてきていると感じますが、海外で、それこそアカデミー賞とかで日本にスポットが当たるのはまだ先のことになると思います。

【耳に痛い話】日本の演技が世界に通じていない理由

この記事を読んでいるあなたにも厳しい話になってしまうかもしれません。

先に謝っておきます。ごめんなさい。

僕は最初に演技が下手な理由として、以下の4つを上げました。

・演技とはそれっぽく見せることだと思っている。(演技が何かをそもそも理解していない)

・段取りを進めることを最優先にしてしまっている。

・演技の基礎力が足りない。

・練習時間(役作りの時間)が足りない。

この中でも特に一番上の、演技をそもそも理解していないというのが、日本の俳優界全体のレベルを下げてしまっています。

俳優や教える人が、ちゃんと理解していないからというのももちろん理由です。

しかし演じる以外の人、監督・プロデューサー、そして視聴者の皆さんすべてが同じく演技というものを誤解してしまっているからでもあります。

監督は、なんとなくそう見えればいいと思って俳優の能力を最大限まで引き出さずに終わります。(当然、そうじゃない人もいます。是枝監督とかは最高に引き出します)

プロデューサーは、とにかく有名な俳優を集めて、話題性のある物語で、来場者数を稼ぐことを第一にします。演技の質にはこだわりません。というか、演技の質とか気にしてないと思います。いい作品を、というよりは稼げる作品を作りたいが本音だと思っています。まあ、それがプロデューサーの仕事ではあるんですが、キャスティングもするわけですし、演技を見る目も持ってほしい。

そして、視聴者の皆さん。

あなた方も演技を「それっぽく見せるもの」だと思っていませんか。

少なくともこの記事を読むまでは思っていませんでしたか?

例えばyoutubeやtiktokで一時期話題になった、演技力じゃがりこ面接

「悲しそうに」とか、「嫉妬して」とか、いろいろなパターンで「じゃがりこ」という動画です。

たくさんの人が、これに挑戦しました。

たしかに「っぽく聞こえる」し、みんな楽しそう。

エンターテイメントとしては、別に構いません。僕も良く見ましたし。

ただ、演技ではない。

これは演技じゃないんですよ。

これは、それっぽく言える器用さのゲームです。

あと、バラエティ番組でもよくあります。「演技力テスト~!」とか題して、同じように〇〇っぽく見えた人が一番演技力があるという体のコーナーです。

見てる分には面白いけど、それは演技じゃない。

あえて言うなら、

想像上の〇〇な人のモノマネを瞬時にできる能力テストです。

心が動いていないのなら演技ではない。

ここの認識が直らない限り、観客はこの程度のレベルを求めてると判断して、監督もプロデューサーも演技の質を上げる必要性を感じません。

日本の作品全体のレベルが上がっていかない。

「それっぽく見せれば客は納得してくれる。それなら、役作りのために無駄な費用をかけなくてもいいだろ」

と、こう思います。

逆も言えます。

監督やプロデューサーが、本当にいい演技をしている作品を出していかないから、観る方は「それっぽく見せる」ことが演技だと思ってしまっている。

にわとりが先か、卵が先かの話みたいです。

ただ、このレベルを超えていかない限り、日本の演技が世界に通用していくことはないと思います。

映画やドラマを観てて、「え?これ素なんじゃないの!?」と驚くくらい自然な演技をする俳優や女優さんいるじゃないですか。

あれが良い演技です。

「その役がそこに存在している説得力が生まれている」「どんな奇抜なキャラだったとしてもいることに違和感がない」んですね。

それっぽい表情や声だけだとこういう感想はでてきません。

「え?これ素なんじゃないの!?」という演技をたくさん見て、嘘の演技と本気でやっているものを見極める目を養っていってください。

演技の良い悪いを見極められる人が増えていけば、日本の映画、演劇界は少しずつ発展していくと思います。

ヒロユキの演技ワークショップはこちらから。

本物の演技力が身につく演技ワークショップ【ACTRIP】

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