演技の練習ルーティーン[のりやすい体質を作るver.]

演技の練習ルーティーン[のりやすい体質を作るver.]

感情作って、キャラクターも作って、どこに意識を持っていくかも考えて・・・うーーん。なんか自由にできないなー。なんか縛られすぎてる感じがする・・・演技ってこんなもんだっけ?

そうなんですよね。一つの役を作るのにやらなくちゃいけないことってすごくたくさんあります。

そしてそれを一つずつ丁寧にやっていくと、

なんか窮屈

自分の演技のアラが気になる

・演じてても楽しくない

という事が起きてきます。

「おかしいなー。ちゃんと真面目にやってるのに・・・・・・」

わかります。演技に真剣であればあるほどそう考えてしまう。僕はどの俳優も通る道だと思っています。

でも、もしかするとあなたは真面目にやりすぎてるのかもしれません。

のって演じることで、いい意味でその真面目さが取れていき、気持ちのまま動ける自由な演技ができますよ。

のってる演技とは?

この記事では、のって演じるための練習ルーティーンについて説明していきます。

まずは定義から。

演技でのってると言うのは、

自分の衝動がなににも邪魔をされず、自然に出てくる状態のこと

を言います。

例えば、

大笑いするときに自然に手を叩いたり、

「このケーキほんっとおおおおにめっちゃ大好き!」と言うときに(本当に美味しいんだよ感を伝えようとして)あえてしかめっつらにするとか、

ふとしたときにふざけてしまうとか、

こういう自然に出てくる反応を「のり」といいます。

映画や舞台を観ていて、こういう動きがポンポンと出てくる役者がいると「ああ、いい役者だなぁ」と感じます。

セリフや演出に縛られていては、のった演技は決して出てこないからです。

強い感情を出すことや、変わったキャラクターを演じられることも役者として大事な部分ですが、それものっていることが前提としてあってのことです。

役にのれていない、衝動に身を任せていないのに、強い感情を出そうとするってなんか違和感ありませんか?

ムリヤリ押し出しているみたいな。

ムリヤリ押し出した感情、無理して作った変わったキャラクターでは、観客の心を動かすことはできません。

なぜならあなた自身の心が動いていないからです。

つまり

のっていること=演技の土台

と考えていいでしょう。

演技だけでなく、表現する系のお仕事は、どれものってなんぼだったりするんじゃないでしょうか。

のってないのに良いものが作れるとは考えにくいです。

のりやすくするための練習5つ

さてそれでは、あなたをのりやすい体質にするための練習を5つ簡単に紹介していきます。

1.わーー!!

いきなり部屋でやるのは難しい練習です。
ですが、やり方はとても簡単。
出来る限りの大声でわーーー!!!と叫びながら10秒間ひたすら暴れます。
以上。
こうすることで、声と動き、そして理性のストッパーが外れ、この後の練習にも効果的かつやりやすくなります。
さらに、日ごろのストレスも一気に減らせます。

2.ジブリッシュで作詞作曲

過去の記事(緊張のとり方)で説明したジブリッシュ(むちゃくちゃ言葉)で適当に曲を作って歌う練習です。

メロディも歌詞もリズムも縛りが全くないので、ノリを良くするにはいい練習です。

ちなみに作詞作曲しなくても、ジブリッシュ単独で効果はあります。これならどこでもできますね。

3.ラジエーティング

身体の一部分がパチパチして、その後光を放つ練習です。
この一文だけだとなんのこっちゃって感じですが、陽気になりやすい練習なので本来のラジエーティングの目的とは違ってきますが効果的です。

4.30種類の笑い方

どんどん笑い方を変えていく練習です。
別にきっちり30種類と決まっているわけじゃありませんし、30分も練習していれば100種類くらい笑い方を試しているはずです。

やり方は簡単。

出来るだけ普段自分がしない笑い方をコロコロ変えてやっていきます。

大声で爆笑、大魔王のような深い笑い、泣き笑い・・・

このように全く違う笑い方に変えても良いですが、それよりは直前の笑い方を残しつつ、新しい笑い方を混ぜて少しずつ変えていくのが良いと思います。

例えば、爆笑した後、すぐに大魔王のような深い笑い方をするのではなく、爆笑の余韻を残したまま大魔王風の笑い方を取り入れるということです。

つぎは、大魔王風の余韻を残しながら、泣き笑いの要素を取り入れていく。

つまり、毎回一から新しい笑い方を生み出すのではなく、前回の要素をさらに広げるイメージでやっていきます。

すると、笑い方の焦点が具体的になるので、経験上コロコロ変えるより早くのれます。

慣れてきたら30種類の怒り方、30種類の驚き方などバリエーションを変えてもOKです。

5.設定のないエチュード

出来るだけ自由な設定でのエチュードをやって、上4つの練習で作り上げたノリの良さを芝居上に持って行きましょう。

練習と実際の演技を結びつける練習です。

残念ながら一人ではできないので、複数人いるときはやりましょう。

その他

飽きたら下の練習に置き換えてもOKです。

歌詞を短く区切って繰り返す

歌詞の同じ部分を何度も繰り返します。
自分が気持ちよくなれる(=ノレる)歌い方を探っていきます。
やっているうちに抑揚やリズムはオリジナルなものになってきます。

びっくり箱

びっくり箱で驚く練習をすることは、躊躇なく大きく動くためなんですが、ノリの良さを磨く練習にもなります。
躊躇がない=衝動が自然に流れる=ノリが良い
ということです。

変な歩き方

これは動画や文章で説明するのは非常に難しいというか出来ないんですが、
ノリを良くするにはうってつけの練習です。ジブリッシュの動きバージョンみたいな感じ。

練習のポイント

基本的にどの練習にもジブリッシュを混ぜることができるし、出来るだけ混ぜるべきです。(わー!とエチュードは除く)
無言でやると考え込んでしまったり、力が入ったりするので、べらべら意味のない言葉を話しながらやるほうが気楽に出来ます。

まとめ

上から順番にやっていけば一日の練習としては良いと思いますが、やっぱり演技の練習なので音量の問題(わー!)と一人では出来ない(エチュード)練習があります。

現在出来るものだけやるのでも効果はありますのでチャレンジしていきましょう。

時間がなかったり、気力がなかったりするときはジブリッシュだけでもやりましょう(自分に言っているようで耳が痛い・・・)

見本として、ルーティンを上から順に実演した動画です。(動くスペースがないためエチュードと変な歩き方は除く)

一人で自宅でできる練習はこちらにまとめました。

良ければご覧ください。

のりも大切ですが、俳優には物語の世界を信じ込む想像力も大切です。

芝居本番で、舞台の上やカメラの前に立っているのは俳優であるあなたではなく、役であるべきだからです。

物語の世界の存在を信じることができなければ、いつまでたっても役として生きることができません。

想像を信じる力については、こちらの記事に詳しく書きました。

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